【公人】「ほら、始まったぞ、ちゃんと歌え」

【夏希】「わ、分かってるわよ! もう……〜〜〜〜〜〜♪」

まあ、せっかくなので。
2人で歌ってみようじゃないかと、ご提案。
したら、なんか、おっけーだった。

【公人】「〜〜〜、〜〜〜〜〜、〜〜〜〜〜♪」

2人で同じ曲を一緒に歌う鉄板パターン。
俺はそんなに上手い方じゃないけど、実はそれは夏希も同じだった。

【公人】「うわ、ひでえな、こりゃ。ばらばら」

【夏希】「……恥ずかしい……」

【公人】「んじゃあ、やめるか?」

【夏希】「それは……やだ……」

【公人】「ほれBメロ」

【夏希】「あ、う、うんっ……!」

てれてれしつつ、あうあうしつつ、夏希が再び歌い始める。
歌ってるのはメジャーな曲。テレビを付ければCMで流れてる。
そんぐらいの有名どころで、実を言うとさっき夏希の友人が俺と一緒に歌おうとせがんできた曲だったり、した。もちろん歌ってないが。
だからまあ、夏希とちゃんと、一緒に歌ってあげようと思った次第、でも、ある。

【夏希】「ああううっ、あうあうっ……!」

【公人】「お前ガチガチだなあ。ただのカラオケだろ、もっとリラックスして歌えよ」

【夏希】「でもでもぉ……」

【公人】「……はぁ。ほれ」

――むにむに〜〜っ

【夏希】「あんぎゃああああ!? なにいきなり胸揉んでんのあんた!? バカじゃないの!?」

【公人】「そんなバカ相手にかっこつけんな、ほれ、しかも一緒に歌ってる俺だってへたっぴーなんだから」

【夏希】「そ、そうだけど……やぁ、んっ……も、揉み続けるなぁ」

【公人】「歌わないと揉み続けるぞ〜。ほれほれ。〜〜〜〜、〜〜〜〜〜〜〜♪」

【夏希】「ちきしょう自分だけいい思いしつつ歌いやがって〜……」

【公人】「はいそうこうしてるうちにここで間奏」

【夏希】「あっれ!?」

【公人】「緊張解けたか?」

【夏希】「……おっぱい、触られた……」

【夏希】「緊張どころじゃなくなった」

【公人】「はい、よろしい。むにむに」

【夏希】「や、んっ……ぁ……」

何色っぽい声出してんのちょっと!?

【夏希】「……ここってさ、カラオケボックスだから、少しぐらい変な音や声出しても、大丈夫なのよね」

【夏希】「ねえ……しよう?」

…………。

【公人】「しようって、はぁ? ここで?!」

……………………あ。

【公人】「やばい、揉みすぎた!?」

【夏希】「そういうんじゃなくって! ただ……これじゃ……」

【夏希】「……さっきのあいつらと同じっていうか……私は、違うんだしっ……」

【公人】「……そら、あれはお前の友達だしな」

【夏希】「だから、ほら……しようよ。おっぱい、揉んでいいから」

【公人】「でもさすがに、ここじゃお前」

【夏希】「試着室」

【公人】「根に持ってんなホント!? でもなんで急に!?」

【夏希】「いいからっ、するのーっ!」



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